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小児矯正:子供の矯正・歯並びについて

1期治療では、狭いあごを無理ない範囲で広げ、あごの関節、あごの位置や形態の改善、口腔周囲筋のバランスや機能の改善をすることで、予防、すなわち骨格の「悪化の芽を摘む」ことを目的とします。

子供の歯並びの悪さを放っておくとどうなるの?

  1. 子供の出っ歯の原因にも

    かみ合わせの不調和により下顎のあごの関節を中心としたあごの前方への成長がなされないと上顎前突(出っ歯)が悪化します。
    出っ歯に対しては、いわゆる「バイオネーター」という装置であごを前に出す動作を覚えさせることよりも、あごの関節を改善しておく方が治る傾向があると考えています。(左下写真→右下写真→左下2枚目写真)

    子供の初診時・バイオネーター2年経過後・バイオネーターからスプリントに変更し1年後

    以下は、上記写真に関する解説です。

    治療内容
    バイオネーター2年、スプリント1年
    抜歯の有無
    永久歯非抜歯(2期ではないため)
    治療費用
    1期 49.5万円
    毎回の再診料3,300円(1期・スプリント共)
    治療期間・回数
    治療期間目安 1期 1年6ヶ月~2年6ヶ月 スプリント1年6ヶ月~2年6ヶ月
    治療回数目安 24回~40回
    リスク・副作用
    バイオネーターについては、前後的に噛み合わせが安定しなくなる可能性があります。
    バイオネーターはあごを前に強制的にずらすので、CT上で関節がすり減る形のダメージを受け、骨格が伸びなくなる場合もあります。
    その場合に噛み合わせの前後的なズレや前がみの筋肉の過緊張が潜在的に生じます。
    ナソロジカルスプリントは、周囲の筋肉をリラックスさせ運動機能のバランスを整えることで顎関節にかかる力を安定化させる治療で、成長期には、結果的に思春期における下あごの顎関節を中心とした自然成長力をかみ合わせの悪さによって抑制されていた状態から解放するように働くものですが、骨格の遺伝的な個人差、顎関節の不正な外力に対する体質的な感受性、常用薬による影響、過去の外傷による影響などがあり、このような場合は意図した改善が難しい場合があります。また、著しく長期に使用した場合は、数年経過後に上顎前歯が前方へ傾斜する場合があります。
    顎の関節を安静にして、顎の筋肉のバランスを整えて、顎の筋肉の成長に働きかける治療です。
    ※ スプリント治療の方は、スプリント治療後に矯正を行います。(※ 個人差があります)
    一般的なリスク・副作用(※要スクロール)
    (1)最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
    (2)歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
    (3)装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
    (4)治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
    (5)歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
    (6)ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
    (7)ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
    (8)治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
    (9)治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
    (10)様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
    (11)歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
    (12)矯正装置を誤飲する可能性があります。
    (13)装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
    (14)装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
    (15)装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
    (16)あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
    (17)治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
    (18)矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
    スプリント(スタビライゼーションタイプ)のリスク及び副作用
    効果には個人差があり、(1)めまい、(2)睡眠障害、(3)こわばり、(4)吐き気および/または嘔吐、(5)唾液分泌の増加、(6)咬合圧の増加、(7)口渇、(8)唇の乾燥、(9)いびきの増加がリスクおよび副作用として考えられます。
    上記以外に、スプリントによって今までの噛み合わせ位置の変化およびそれによる顔貌の変化が生じるとその改善には矯正治療や外科的矯正治療が必要となります。
    もっと知りたい
    さらに詳しくお聞きになりたい方は、
    定期的に開催している「相談・カウンセリング」へお申し込みください!
  2. 子供の受け口の場合は

    受け口は、下顎の過成長や、上顎の成長不足、あごの関節自体が前にあって下顎が前方に位置していることや、いつも前方で噛んでいることで下顎が関節の位置よりも前にズレていることによっておきます。
    受け口は、あごの成長を抑制するためのチンキャップをしたり、上顎骨が後退していることによる受け口では上顎を前方に牽引する帽子を使うことが受け口の改善に効果的です。受け口の原因を知るには精密検査が必要です。受け口は一度あごが伸びると引っ込めることができないため、おすすめの開始時期は、6歳というごく低年齢から一回目の成長のピークが発現するので当院ではその頃から舌の練習をしたり、マウスピースによって舌を上顎に持ち上げる装置によって治療するのがおすすめです。その後、思春期に受け口が再発する場合がありますので、少しでも遺伝性が疑われる場合には思春期までに前歯のかぶさりを多めに深くしたり、経過観察を続けておかないといけません。一方すでに受け口がひどく、遺伝性が疑われる場合、チンキャップ装置の着用継続を勧めることがあります。受け口の場合は、低位舌に対する舌の挙上訓練などが予防的に必要です。

    子供の前方牽引前・前方牽引後

    以下は、上記写真に関する解説です。

    治療内容
    マルチブラケット装置・上顎前方牽引装置(いわゆるフェイスマスク)
    抜歯の有無
    永久歯非抜歯(2期ではないため)
    治療費用
    1期 49.5万円
    毎回の再診料3,300円
    治療期間・回数
    治療期間目安 1期 1年8ヶ月~6年
    治療回数目安 12回~35回
    リスク・副作用
    奥歯に装置をつけて、奥歯につけたフックから引っ張るため、場合によって(歯の生え変わりのタイミングによって)は歯が前に動いしてしまうことによって将来、抜歯になる可能性があります。(※ 個人差があります)
    一般的なリスク・副作用(※要スクロール)
    (1)最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
    (2)歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
    (3)装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
    (4)治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
    (5)歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
    (6)ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
    (7)ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
    (8)治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
    (9)治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
    (10)様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
    (11)歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
    (12)矯正装置を誤飲する可能性があります。
    (13)装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
    (14)装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
    (15)装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
    (16)あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
    (17)治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
    (18)矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
    スプリント(スタビライゼーションタイプ)のリスク及び副作用
    効果には個人差があり、(1)めまい、(2)睡眠障害、(3)こわばり、(4)吐き気および/または嘔吐、(5)唾液分泌の増加、(6)咬合圧の増加、(7)口渇、(8)唇の乾燥、(9)いびきの増加がリスクおよび副作用として考えられます。
    上記以外に、スプリントによって今までの噛み合わせ位置の変化およびそれによる顔貌の変化が生じるとその改善には矯正治療や外科的矯正治療が必要となります。
    もっと知りたい
    さらに詳しくお聞きになりたい方は、
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  3. 歯を支える骨が狭い場合は

    歯を支える骨が狭くV字だったりする場合は、上あごの成長方向のバランスが悪いです。あごを横方向に広げることで上・中咽頭腔を広くし、お顔の横幅のバランスを良好に保ち、当院の1次治療であごの前方成長を促して舌を前方に位置させ、下咽頭腔を拡大し、上下唇の距離を減らしてお口を閉じやすくし、鼻呼吸を促します。
    成長終了前であればあごの幅を広げることで非抜歯で行うことがあります。上顎はほぼ全員下方に成長するためかみ合わせの不調和により下顎のあごの関節を中心としたあごの前方への成長がなされないと上顎前突を悪化させてしまいます。
    以上から、正しい機能を持った良好な顔貌になるためにはあごの関節を改善しておく必要があります。

  4. 子供のお口の機能に問題がある場合は

    早期受診により、ほおずえ、開口癖、くいしばり、指しゃぶり、異常嚥下、低位舌、咬唇癖などの悪い習慣を親御さんにお子様への指導を協力して頂くことにより、思春期に比べて悪習慣が改善します。また、成長期であればあごの関節の安定化によって筋機能が正常化し、骨格(とりわけ側貌に影響を与える顎先の部分の前後・上下的な位置や、上顎前歯の上下的な位置)の成長方向を悪化させずコントロールできるため、顔貌を改善できることがわかってきました。さらに、鼻閉、お口がぽかんと空いている場合や舌の位置がわるい場合、飲み込んだときに口元に力が入る場合などはあごの関節も悪く、以後の口元の筋肉や骨格の発達に大きく影響します
    また、上あごの前下方への成長に対して、あごの関節を中心とする下あごの成長が不足すると、下あごが回転し、口が開きやすくなり、下あごが下がり、あごの下(首すじ)が後退します(下図左)。それらによって舌位が下がりいびきや口呼吸をもたらすと考えられています。

    子供の噛み合わせ治療前・治療後 事例

    以下は、上記写真に関する解説です。

    治療内容
    スプリント・マルチブラケット装置
    抜歯の有無
    上顎両側第一小臼歯抜歯
    治療費用
    矯正治療基本料金 68.5~78.5万円
    毎回の再診料4,400円(スプリント)5,500円(矯正)
    治療期間・回数
    治療期間目安 スプリント+マルチブラケット 1年6ヶ月~3年0ヶ月
    治療回数目安 18回~36回
    リスク・副作用
    ナソロジカルスプリントは、周囲の筋肉をリラックスさせ運動機能のバランスを整えることで顎関節にかかる力を安定化させる治療で、もし成長期であれば、結果的に思春期における下あごの顎関節を中心とした自然成長力をかみ合わせの悪さによって抑制されていた状態から解放するように働くものですが、骨格の遺伝的な個人差、顎関節の不正な外力に対する体質的な感受性、常用薬による影響、過去の外傷による影響などがあり、このような場合は意図した改善が難しい場合があります。歯茎の状態骨格の状態によっては、矯正治療単独ではオトガイの変化を期待するのが難しい場合があります。
    ※ スプリント治療の方は、スプリント治療後に矯正を行います。(※ 個人差があります)
    一般的なリスク・副作用(※要スクロール)
    (1)最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
    (2)歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
    (3)装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
    (4)治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
    (5)歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
    (6)ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
    (7)ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
    (8)治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
    (9)治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
    (10)様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
    (11)歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
    (12)矯正装置を誤飲する可能性があります。
    (13)装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
    (14)装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
    (15)装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
    (16)あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
    (17)治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
    (18)矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
    スプリント(スタビライゼーションタイプ)のリスク及び副作用
    効果には個人差があり、(1)めまい、(2)睡眠障害、(3)こわばり、(4)吐き気および/または嘔吐、(5)唾液分泌の増加、(6)咬合圧の増加、(7)口渇、(8)唇の乾燥、(9)いびきの増加がリスクおよび副作用として考えられます。
    上記以外に、スプリントによって今までの噛み合わせ位置の変化およびそれによる顔貌の変化が生じるとその改善には矯正治療や外科的矯正治療が必要となります。
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    リラックスすると口唇が少し開く場合は、普段口唇を閉じるときに少しお口が緊張している証拠です。緊張がない状態だと、オトガイのラインはfの字ではなくSの字を描きます。

乳歯の噛み合わせ

乳歯の噛み合わせ

(出典: 鍋田和孝ほか : 永久歯萌出に関する研究(第二報)terminal planeと第一大臼歯咬合関係, 小児歯誌, 20 : 411, 1982.)




歯並びは早い段階からの治療をおすすめします。

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