大人の矯正・歯並び
大人の矯正・歯並び:医院選びで必要なこと
あご先の位置を変化させ、治療後の歯並びも安定化させる
リラックスすると口唇が少し開く場合は、普段口唇を閉じるときに少しお口が緊張している証拠です。緊張がない状態だと、オトガイのラインはfの字ではなくSの字を描きます。
成人の場合は、成長期の変化であごが開いてしまったため口唇が薄く、口角の幅が小さく閉じにくくなっているため、あごを閉じるため抜歯を行うことでオトガイが前方に移動します(下図左→右)。
以下は、上記写真に関する解説です。
- 治療内容
- マルチブラケット装置
- 抜歯の有無
- 上下両側第一小臼歯抜歯
- 治療費用
- 矯正治療基本料金 68.5~78.5万円
毎回の再診料5,500円(矯正)
- 治療期間・回数
- 治療期間目安 マルチブラケット 1年3ヶ月~3年0ヶ月
治療回数目安 15回~36回
- リスク・副作用
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歯茎の高さや骨格の状態によっては、矯正治療単独ではオトガイの変化を期待するのが難しい場合があります。
ナソロジカルスプリントは、周囲の筋肉をリラックスさせ運動機能のバランスを整えることで顎関節にかかる力を安定化させる治療で、もし成長期であれば、結果的に思春期における下あごの顎関節を中心とした自然成長力をかみ合わせの悪さによって抑制されていた状態から解放するように働くものですが、骨格の遺伝的な個人差、顎関節の不正な外力に対する体質的な感受性、常用薬による影響、過去の外傷による影響などがあり、このような場合は意図した改善が難しい場合があります。
※ スプリント治療の方は、スプリント治療後に矯正を行います。(※ 個人差があります)
- 一般的なリスク・副作用(※要スクロール)
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(1)最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2 週間で慣れることが多いです。
(2)歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
(3)装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
(4)治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
(5)歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
(6)ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
(7)ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
(8)治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
(9)治療中に「顎関節で音が鳴る、あごが痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
(10)様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
(11)歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする可能性があります。
(12)矯正装置を誤飲する可能性があります。
(13)装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
(14)装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
(15)装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
(16)あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
(17)治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
(18)矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。
スプリント(スタビライゼーションタイプ)のリスク及び副作用
効果には個人差があり、(1)めまい、(2)睡眠障害、(3)こわばり、(4)吐き気および/または嘔吐、(5)唾液分泌の増加、(6)咬合圧の増加、(7)口渇、(8)唇の乾燥、(9)いびきの増加がリスクおよび副作用として考えられます。
上記以外に、スプリントによって今までの噛み合わせ位置の変化およびそれによる顔貌の変化が生じるとその改善には矯正治療や外科的矯正治療が必要となります。
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矯正治療をしたあとで歯並びの悪さが再度目立ってくることを後戻りと言います。
後戻りが少ない理由の一つは、リテーナーをしっかりと使ってもらうことや、舌を前に出さないで持ち上げ、しっかりとお口を閉じるという練習をしていることもありますが、一番はあごの関節が最も調和した下あごの位置で歯を並べているからです。
家を建てる時には少なくとも地盤を最初にみないといけないでしょう。矯正治療を開始する前に、あごの関節の状態をしっかり改善してから行うことによって、より良い機能、歯並び、かみ合わせ、顔貌の筋肉の改善が得られます。
後戻りをしないための3つのポイント
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リテーナーを毎日しっかり使う
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飲み込むとよく舌が前に出たり、舌が上あごにつかない人については舌や咀嚼のトレーニングが必要
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あごの関節とその周囲組織を正常化してから正しく診断し矯正治療を始める
矯正治療は、 0.1ミリ単位での駆け引きです
抜歯して矯正するときも、抜歯した歯の前後の歯をどれくらい動かすかで、出っ歯が残ったり奥歯に隙間が残って閉じるのに時間がかかったり、上下の前歯の間でずれが残ってしまうので、そのあたりを患者さんの治療期間をなるべく延ばさないように苦労しています。
最終的に真ん中が合ってきて、犬歯の位置関係がバッチリ、第1大臼歯の位置関係もバッチリしっかり噛んで、前歯の軽い接触を得るというのがこちらの望む理想のゴールとなります。
計画通りの(1)機能、(2)かみ合わせ、(3)顔貌改善をするために協力はとても重要です。
当院では、最終的に噛みやすく、またお口を閉じやすくするために咬頭嵌合位(歯が最大面積で噛んだ場所)ではなくあごの関節がきちんと収まっている位置、つまり中心位を重視しています。そのため、よく奥歯にアイステーションやヘッドギア、トランスパラタルアーチといった装置をつけ、成人ではアンカースクリューというチタン製のピンを植えて歯の位置を微調整します。
ですが、必要な人に抜歯したり、アイステーションやアンカースクリューを使わないと、治療目標までなかなかたどり着きませんし、ヘッドギアについては帽子の装置なので、毎日10時間は被らないと治療効果が得られません。トランスパラタルアーチは舌にあたって違和感がありますが、外すと効果が得られません。その点は注意が必要です。
なお、成人であごの変形やあごの形の非対称を有する場合、改善には外科的矯正治療、あるいはオトガイ形成手術が必要です。
当院では、
最終的に噛みやすく、またお口を閉じやすくするために
あご先、つまりオトガイの位置をとても重視しています。